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社内教育、マネーリテラシー向上、リスキリングにお役立てください。
社会人のための金融教育【重要性と課題とは?】
金融教育とは?
金融教育とは、経済やお金の様々な仕組みを正しく理解し、自分らしい生活や、より良い社会づくりに向けて、主体的に判断し行動できるような態度を養う育成の過程を指します。
政府は、2003年にスタートした証券税制の優遇措置を周知させるために、『貯蓄から投資へ』というスローガンを掲げました。
『人生100年時代』に対して、『自助努力』で解決するように促しています。
とは言え、金融教育とは、資産運用のやり方や商品の知識を得る機会という意味の場だけでなく、経済活動と現実の生活との関りを正しく知り、主体的に行動できるようになることが目的になります。
学習指導要領が改定され、小学校で2020年度、中学校で2021年度、高校で2022年度から、金融教育が本格的にスタートすることになり、金融教育への注目度が高まっています。
金融教育を受けることで、金融や経済に関する正しい知識や判断力(金融リテラシー)を身に付けられます。
今回は、子どもだけではなく、社会人にも求められる金融教育について考えていきます。
社会人に金融教育が重要な理由
「人生100年時代」「老後2,000万円問題」という言葉を耳にされた事がある方も多いと思います。
日本の総人口は、2019年10月1日現在、1億2,617万人。 65歳以上人口は、3,589万人。
総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は28.4%です。
これが、2070年には、38.7%へと上昇すると推計されています。
既に日本は、「人生100年時代」とも形容される超高齢社会へ突入しています。
また、2019年6月に金融庁の金融審議会の報告書が公表され、老後は2,000万円必要だと騒動になりました。
これが「老後資金2,000万円問題」です。
2,000万円という金額は、夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯では毎月約5.5万円の不足が生じるため、20~30年間の不足額が約1,320~1,980万円に上るという試算に基づいています。
現代社会では金融との関わりを持つことは避けられません。
当たり前の「生活スキル」として金融リテラシーを身に付ける必要があります。
金融トラブルに巻き込まれる人が後を絶たないから
皆さまもクレジット会社などから緊急を装うメールやLINEが届いたことはありませんか。
昔から、本来の価値に見合わないものを高額で売りつける悪徳商法や、小さなリスクで大きく儲かるといった投資詐欺などが多くありましたが、最近は、有名人などになりすまして投資を呼びかける偽の広告がSNS上に広がり、現金をだまし取られるなどの被害は、都内だけで2023年の1年間に少なくとも210件、被害額はおよそ38億円に上ったことが、警視庁のまとめでわかっています。
また、家計管理の基礎知識が不足していると、クレジットカードの支払いが、知らぬ間にリボ払い(リボルビング払い)扱いになっていて、気がつかず、リボ払いの手数料、利息を支払わされていた
というケースもあります。
生活と仕事に密接にお金が関わっているから
金融教育では、「お金の流れ」という視点から、経済と社会との関係を理解することを目指します。
金融リテラシーが高いと、計画を立ててお金を準備するので、夢や目標を実現しやすくなります。
また緊急時の蓄えがあるので、アクシデント(ケガや病気、収入減など)に対応できるようになります。
ライフプランが多様化している現在、費用の大きさや支出の順序にはもちろん個人差がありますが、「就職」「結婚」「出産」「教育」「住宅」「介護」「老後」といったライフイベントには大きな支出を伴うことが多く、「教育資金」「住宅資金」「老後資金」は人生の三大資金と言われています。
経済的に自立し、より良い暮らしを送るために金融教育を学ぶと言う事になります。
キャリアアップのために必要だから
仕事において、より高いポジションや報酬を目指すためにも、金融教育は役に立ちます。
どんな業界で、どんな業務を担当していても、経済の動向を理解していることや、金融についての知識があることは、社会人としての信頼感につながります。
「financial」は、財政の・財務の・金融のなどを意味する形容詞の英単語ですが、お金の専門家という意味合いで、「ファイナンシャルプランナー」という国家資格もあります。
金融に関係する業界に限らず、金融・経済に関する包括的な知識を持っていることの証明になり、人気資格のひとつになります。
FP技能検定とは(日本FP協会)
https://www.jafp.or.jp/exam/about/
社会人の金融教育の課題
金融庁は、国民一人ひとりが、社会で生きていくために必要な金融やその背景となる経済についての基礎知識を、4分野・15項目の「最低限身に付けるべき金融リテラシー」を次のように挙げています。
政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/
分野1.家計管理
項目1.適切な収支管理(赤字解消・黒字確保)を習慣にすること。
分野2.生活設計
項目2.ライフプラン(人生設計)を明確にすること。
分野3.金融と経済の基礎知識と、金融商品を選ぶスキル
【金融取引の基本としての素養】
項目3.契約をするとき、契約にかかる基本的な姿勢(契約書をよく読む、相手方や日付・金額・支払い条件などが明記されているかを確認、不明点があれば確認するなど)を習慣にすること。
項目4.情報の入手先や契約の相手方である業者が信頼できるかどうかを必ず確認すること。
項目5.インターネット取引の利点と注意点を理解すること。
【金融分野共通】
項目6.金融と経済の基礎知識(単利・複利などの金利、インフレ、デフレ、為替、リスク・リターンなど)や金融経済情勢に応じた金融商品の利用選択について理解すること。
項目7.取引の実質的なコスト(価格、手数料)について把握することの重要性を理解すること。
【保険商品】
項目8.自分にとって保険でカバーしたい事態(死亡、病気、火災など)が何かを考えること。
項目9.カバーすべき事態が起きたとき、必要になる金額を考えること。
【ローン・クレジット】
項目10.住宅ローンを組む際の留意点を理解すること。
ア.無理のない借入限度額の設定、返済計画を立てることの重要性
イ.返済を難しくさせる事態に備えることの重要性
項目11.無計画・無謀なカードローン・クレジットカードなどの利用を行わないことを習慣にすること。
【資産形成商品】
項目12.高いリターンを得ようとする場合には、より高いリスクを伴うことを理解すること。
項目13.資産形成における分散(運用資産の分散、投資時期の分散)の効果を理解すること。
項目14.資産形成における長期運用の効果を理解すること。
分野4. 外部の知見の適切な活用
項目15.金融商品を利用するにあたり、外部の知見を適切に活用する必要性を理解すること。
何から学んで良いのか分からない
金融教育が必要と感じていても、時間が無く勉強できない人、何から始めればよいかわからない人がほとんどではないでしょうか。
そこで、「気になるテーマ」はありますか?
人生の何かイベントを迎えるとき、お金のことが気になることは一般的で金融教育に興味を持つキッカケにもなります。
また社会人になると制度やルールを知っているだけで得をしたり、気がつかず損をしていたことに気がついたりします。
その他には、前述したファイナンシャルプランナーの資格試験を意識してみることはいかがでしょうか。
「ライフプランニング(生活設計)」「リスクマネジメント」
「金融資産運用」「相続・事業継承」
「タックスプランニング(税金)」「不動産設計・運用」
の6分野が包括的に出題されます。この中から、気になる分野を勉強してみるのも良いかもしれません。
金融教育を学ぶ場所がない
最近は、従業員エンゲージメントを意識して、従業員の福利厚生として金融教育を取り入れる会社は増えてきています。
会社主催の「学びの場」があれば、ぜひ参加してみてください。
グループワークなどを取り入れることにより、普段なかなか出会わない他部門の方とコミュニケーションも可能になるように配慮されている等、いろいろ工夫を凝らしているはずです。
新人研修、営業職研修、管理職研修など、年代や役割に対応した金融リテラシーの向上が図れます。
また、ミライブでも、パーソナルファイナンスの一環として、どなたでも参加できるファイナンシャルプランニングセミナーを定期開催しています。
この機会に、「はじめの一歩」を踏み出してみてはいかがでしょうか。
金融教育は専門性の高い分野であるため、外部からカリキュラムや講師を調達することが効率的ですが、時間やコストが掛かります。
金融教育の必要性とメリットは十分感じているのに、なかなかキッカケがない等、「学びの環境」を整備していくことが課題となります。
ミライブの社会人向け金融教育事例3選
社会人向けの教育は、社会保障や所属企業による福利厚生制度の活用を併せて進めていくことが効果的です。
「DC(企業型確定拠出年金)」「iDeCo(個人型確定拠出年金)」「職場つみたてNISA」などは、税制面でもメリットがありますが、制度導入後のフォロー研修や周知ができておらず、せっかくの制度がキチンと活用できていないケースも多くあり、課題となっています。
制度のサポートが、新しい金融教育の場として活用できます。
確定拠出年金・NISAのフォローアップセミナー
厚生労働省の調査では企業型確定拠出年金(DC)導入企業は2022年3月時点で約42,000社。前年から約3,500社増えており、毎年2,000~3,000社が新規加入しています。
企業としても社会保険料の圧縮にもつながりますので、右肩上がりの増加傾向は、今後も続いていくと想定されます。
とは言え、導入時研修後のフォローアップセミナーが無い企業が大半ですので、ミライブでは、制度導入のサポートはモチロンですが、定期的に、全社員向けのフォローアップ研修を提案しています。
(事例A)
業種:製造業
加入:200名(従業員全員)
DC導入時期:2012年
マッチング拠出:なし
目標利回り:2.5%
ログイン率:10%以下
元本確保型100%率:70%以上
参加率:90%以上(※業務時間内4回に分割して実施)
- オンライン形式での実施
フォロー
- 後日、個別FP相談会の実施(※希望者には、ライフプラン作成フォロー)
また、個人型確定拠出年金(iDeCo)、NISA(少額投資非課税制度)のルールが変更になったことにより、制度を活用される方が増えました。
DC(企業型確定拠出年金)、iDeCo(個人型確定拠出年金)、NISA(少額投資非課税制度)をキチンと活用したい個人の方向けのオープンセミナーも開催しています。
新人研修・中堅社員向け研修に金融教育のテーマを追加
現代では、価値観の変化や多様化が進み、経済的な豊かさだけではなく、価値観の変化や多様化に対応し、将来の漠然とした不安を解消することで従業員エンゲージメントを高めることが可能です。
(事例B)
業種:銀行業
参加者:20名(新入社員)
- 対面形式での実施
内容
- ライフプランニングの基礎知識
- キャリアデザイン
- 社会保障制度と資産形成
- 金融トラブル対策
(事例C)
業種:IT・ソフトウエア開発業
参加者:30名(入社3年~4年目)
- 対面及びオンライン併用での実施
内容
- 金融リテラシー向上(現状と課題の確認)
- ライフプラン作成
- 三大資金準備と資産形成
- 金融トラブル対策
受動的な研修ではなくグループワークなどを取り入れ、課題の進め方などから、リーダーシップやコミュニケーション能力といった適性をよりハッキリと判断することが可能になります。
既存の研修に、金融教育部分を付加する形で実施するため、準備の時間とコストを最低限で実装可能になります。
金融教育に関する場は限定されているため、従業員エンゲージメントを高めるためにも『金融教育は最適』という声が増えてきています。
三大資金(住宅資金・教育資金・セカンドライフ資金)準備セミナー
アメリカでが、Elementary School(小学校)から金融リテラシーの概念に触れる機会が作られ、Middle School(中学校)・High School(高校)と世代が上がっていくにつれ、経済学の一環として金融リテラシーを教えています。
「金融リテラシー調査 2022年(金融広報中央委員会)」を見てみると、日本では、学校で金融教育を受けたことがあると認識している人の割合は、日本は7%。また、金融知識に自信のある人の割合は、12%とおよそ1割程度となります。
金融リテラシー調査(金融広報中央委員会)
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/literacy_chosa/
ミライブでは、「これだけは知っていて欲しい」という金融リテラシーを三大資金をテーマにしてオープンセミナーを開催しています。
(事例D)
テーマ:
- 教育資金準備
- 教育費の基本知識:
- 教育費の必要性と目標額の設定
- 教育資金計画のプランニング
資産運用のはじめ方:
- 教育資金を効率的に貯める方法
- 貯め方の選択肢
ライフプランの考え方:
- 教育資金とライフプラン全体への影響
- 緊急時の備えや老後資金
(事例E)
テーマ:
- 住宅資金準備
- 住宅購入の基本知識:
- 購入費用の見積り方法
- 保証料や事務手数料について
- 購入後のコスト
- 返済計画と住宅ローンの選び方:
- 固定金利と変動金利の違い
- ローンの返済期間の選び方
- ペアローン(夫婦ローンのメリットとデメリット
- ライフイベントとアクシデント対策:
- 団体信用生命保険の役割と選び方
- ライフシミュレーションの作成方法
- 家計のバランスと将来の支出の見通し
(事例F)
テーマ:
- セカンドライフ資金準備
- 退職後のライフプランを考える:
- セカンドライフの目標設定
- 年金・退職金制度の理解
- 老後資金を準備する:
- 資産運用の基本
- インフレ対策と資産の保全
- 金融トラブル事例
- 介護と相続について:
- 介護保険制度の理解
- 相続対策と遺言
金融教育はミライブにお任せください
金融というと苦手意識を持っている方も多いのですが、社会や経済の仕組みは身近な話題であり、伝え方を工夫するだけで、誰でも比較的短い時間で、金融教育の効果を、実感することが可能です。
ミライブのオープンイベント(無料)を金融教育の「はじめの一歩」にしてみてはいかがでしょうか。
また金融教育が必要と考えている社会人は多く、金融教育は魅力的な福利厚生制度として他社との差別化を図ることが可能になります。
ミライブではこれまで、
- 専門家(ファイナンシャルプランナー)によるライフプランセミナー
- 企業型確定拠出年金(DC)の導入 および フォローアップ研修
- 既存研修(新人研修、マネジメント研修など)への金融教育の追加
- ファミリーデーなどで、お子さま向け金融教育イベントの開催
など、様々な視点から金融教育を実施しています。
セミナーやイベントは参加型で、金融教育を、『楽しく学ぶ場』を創造しています。
従業員の皆さまは、将来の大きな不安ではなく、なんとなく、漠然とした不安を抱えていると感じる方が多いようです。
『不安の種』が育ってしまう前に、『金融教育』という種を育んでいきます。
ミライブの金融教育では、従業員エンゲージメントを高めることを意識し、『目的』・『トレーニング内容』・『実施方法』をカスタマイズして、最適解をご提案いたします。
元記事発行日:2024年8月12日、最終更新日:2024年8月23日