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従業員満足度とエンゲージメントの違いとは?高めるための対策や調査方法についても紹介

従業員満足度とエンゲージメントの違い

従業員満足度とエンゲージメントは、職場での従業員の経験を評価する際に重要ですが、異なる概念です。

簡単に説明すると、満足度は「職場が好きかどうか」に関する感情を表し、エンゲージメントは「職場の成功に貢献したい」という積極的な姿勢を示すものです。

満足度が高いからといって必ずしもエンゲージメントが高いわけではなく、両者は相互に関連しながらも独立した要素となります。

それぞれがどのような意味を持つのか、詳しくみていきましょう。

従業員満足度とは

「従業員満足度」は、従業員が職場や職務に対して感じる全体的な満足感を指します。

給与、福利厚生、職場環境、人間関係、ワークライフバランスなどの要素に影響されます。

そのため、「自分のスキルにあった仕事が割り当てられている」「休暇が取りやすく仕事とプライベートのバランスが取りやすい」といった状態は、従業員満足度が高い状態と言えます。

満足度が高い従業員は、一般的に職場に対してポジティブな感情を抱いていますが、必ずしも高いパフォーマンスや積極的な行動を取るとは限りません。

「従業員満足度」において、「愛社精神があるかどうか」はあまり関係ありません。

ですが一般的に、従業員満足度が高い会社は、従業員エンゲージメントも高い傾向にあると言われています。

エンゲージメントとは

「従業員エンゲージメント」は、従業員が組織やその目標にどれだけ強く結びつき、情熱を持って取り組んでいるかを示します。

本来、エンゲージメント(engagement)は「婚約」「約束」「契約」といった訳語を持つ英単語です。

エンゲージメントが高い従業員は、仕事に対して深い情熱を持ち、職場の成功に貢献するために積極的に行動します。

これは、業績向上や顧客満足度の向上につながることが多いです。

従業員エンゲージメントは、企業への「愛着度合い」や「共感度合い」を示す言葉と言えます。

「企業理念をきちんと理解し、主体的に体現したいと思っているか」「企業や同僚との関係に愛着をもっているかどうか」などの意味が含まれます。

そのため「与えられた仕事をこなすだけ」「働きやすい環境だからここで働いている」といった状態は、従業員エンゲージメントが高い状態とは言えないと言うことになります。

エンゲージメントの高め方

現在この記事を読んでいる多くの方は、従業員エンゲージメントが低いことは分かっているが、具体的にどうしたらいいのか分からないと考えている方が多いのではないでしょうか。

まず初めに、従業員エンゲージメントを高めるということに、正解はありません。

どういうことかといいますと、所属している社員や会社の状況により、何が必要になってくるのは全く異なるということです。

ですから、まずは自社の状況を調査し、何が必要なのかを調査することが必要です。

しかし、従業員エンゲージメントを高めたいと思った際は、現在の「従業員満足度」を調査・改善するところからはじめてみることをお勧めします。

従業員満足度を上げたからと言って、必ずしもエンゲージメントが向上するとは限りません。

しかし、従業員満足度が低いうちは、エンゲージメントの向上も難しいです。

ですから、まずは従業員の不満を出来る限り取り除けるよう、課題を分析して1つずつ改善していくことが大切です。

それでは、従業員満足度を上げるための基本的な4つのポイントについて確認してみましょう。

労働環境を整理する

エンゲージメントを高めるために労働環境を整理することは非常に効果的です。

まず、快適で整然とした職場は、従業員の集中力や生産性を向上させます。

物理的な整理だけでなく、デジタルツールやワークフローの整備も重要です。

明確な役割分担やコミュニケーションの改善により、業務がスムーズに進行し、ストレスが軽減されます。

また、働きやすい環境は従業員の心理的安全性を高め、自己成長やイノベーションへの意欲を引き出します。

これにより、従業員が組織に対する強い結びつきを感じ、エンゲージメントが向上します。

社内コミュニケーションを取る

社内コミュニケーションを強化することは、エンゲージメント向上において極めて重要です。

円滑なコミュニケーションは、従業員が組織の目標や方針を理解しやすくし、チーム間の連携を深めます。

また、従業員が意見を共有しやすい環境を整えることで、信頼関係が構築され、モチベーションが向上します。

上司とのオープンな対話も、従業員が自分の役割や貢献を認識し、会社に対する帰属意識を高める要因となります。

こうした双方向のコミュニケーションが活発になることで、従業員は組織への一体感を持ち、エンゲージメントが高まります。

人材配置を見直す

エンゲージメントを高めるためには、人材配置の見直しが重要です。

適材適所に人材を配置することで、従業員のスキルや強みを最大限に活かすことができ、仕事への満足感とやりがいが向上します。

特に、従業員が自身の能力に合った役割で活躍できる環境を整えると、自己効力感が高まり、組織に対する忠誠心が強まります。

また、不適切な配置がもたらすストレスや業務の非効率を防ぐことができ、全体的なパフォーマンス向上にもつながります。

こうした配置の見直しにより、従業員が積極的に業務に取り組み、エンゲージメントが向上します。

評価制度を設ける

エンゲージメントを高めるためには、公平で透明な評価制度の導入が効果的です。

明確な評価基準に基づいた制度は、従業員の努力や成果が適切に認識されることを保証します。

これにより、従業員は自分の貢献が評価されていると感じ、モチベーションが向上します。

また、定期的なフィードバックを通じて、従業員は自分の強みや改善点を理解しやすくなり、自己成長に繋がる意欲が高まります。

公正な評価は、信頼関係の構築にも寄与し、組織への信頼と忠誠心が強まります。

結果として、従業員のエンゲージメントが高まることが期待できます。

従業員満足度やエンゲージメントの調査方法

それでは、自社にはどのような対策が必要になってくるのか、調査を行う為の方法についても考えていきましょう。

従業員満足度やエンゲージメントを効果的に把握するためには、適切な調査方法を用いることが重要です。

以下に代表的な方法を紹介します。

1. アンケート調査

定期的なアンケートは、従業員の満足度やエンゲージメントを定量的に測る基本的な方法です。

質問項目を設計する際には、職場環境、上司との関係、報酬、キャリア開発など多岐にわたる要素を網羅します。

匿名性を確保することで、率直な意見を集めやすくなります。

2. フォーカスグループ

少人数のグループで行うディスカッション形式の調査です。

従業員の生の声を深く掘り下げることができ、アンケートでは得られない詳細な意見や感情を把握できます。

この方法は、特定のテーマについて深い洞察を得るのに適しています。

3. 1対1のインタビュー

個別インタビューでは、従業員と直接対話し、個別の経験や意見を詳細に探ることができます。

時間とコストはかかりますが、従業員一人ひとりのニーズや課題を深く理解するのに役立ちます。

4. パルスサーベイ

短期間に頻繁に実施するアンケートで、従業員のエンゲージメントの変化をリアルタイムで把握できます。

これにより、迅速な対応が可能となり、問題が悪化する前に対処することができます。

5. データ分析

従業員の業績データや離職率などの定量データを分析することで、満足度やエンゲージメントの傾向を把握できます。

アンケートやインタビュー結果と組み合わせることで、より総合的な理解が得られます。

これらの調査方法を組み合わせて実施することで、従業員の満足度やエンゲージメントの現状を正確に把握し、組織の改善に繋げることができます。

各企業でのエンゲージメント向上の取り組み

以下に、従業員エンゲージメント向上に取り組んでいる他の企業を3つ挙げ、その取り組み内容を説明します。

1. マイクロソフト (Microsoft)

マイクロソフトは、従業員エンゲージメントを高めるために「柔軟な働き方の導入」に力を入れています。

同社はリモートワークやフレックス勤務を積極的に推進し、従業員が仕事とプライベートを両立しやすい環境を提供しています。

また、社内でのコラボレーションツール(Microsoft Teamsなど)の活用を奨励し、従業員同士のコミュニケーションを円滑にすることで、チームの一体感を強めています。

さらに、マイクロソフトは社員の意見を反映する企業文化を重視し、定期的に従業員からフィードバックを集め、組織改善に活かしています。

2. サウスウエスト航空 (Southwest Airlines)

サウスウエスト航空は、「従業員の声を重視する文化」を育てることでエンゲージメントを高めています。

同社は「Employee First」という理念を掲げ、従業員を第一に考える経営を行っています。

例えば、従業員が意見を自由に発信できる場を設けたり、リーダーが直接従業員と対話する機会を増やしています。

また、成果を適切に評価するための表彰制度も充実しており、従業員が企業の成功に貢献していることを実感できるようにしています。

このような取り組みが、従業員のモチベーションとエンゲージメントの向上に繋がっています。

3. 日立製作所 (Hitachi)

日立製作所は、「キャリア開発と教育」に注力することで従業員エンゲージメントを向上させています。

同社は、従業員が長期的に成長できるよう、さまざまな研修プログラムやキャリア支援を提供しています。

また、個々のキャリアパスに合わせた柔軟な人材配置を行い、従業員が自身の能力を最大限に発揮できる環境を整えています。

日立製作所は、従業員の自己成長を促進することで、企業全体の活力を高め、エンゲージメントの向上を図っています。

これらの企業は、それぞれの独自の強みを活かし、従業員エンゲージメントを高めるための取り組みを進めています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

従業員エンゲージメントの向上は、会社にとって様々なメリットをもたらします。

自社に必要な対策は何かをしっかりと見極め、従業員にとっても会社にとっても有意義になる方法を取り入れていきましょう。

元記事発行日:2024年8月19日、最終更新日:2024年8月23日