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金融経済教育とは?背景や必要性・推進について解説
皆さん「金融経済教育」という言葉聞いたことがありますか?
2000年に、金融審議会が金融分野における教育の必要性を指摘したことにより、政府・日銀では、2005年度を「金融経済教育元年」とし、金融経済教育へのより一層の取り組みを促すとともに、2007年には、金融後方中央委員会が「金融教育プログラム-社会の中で生きる力を育む授業とは-」を発行し、小学校、中学校、高等学校における金融経済教育の指導計画例を示しています。
この記事では、金融経済教育とは何か、金融経済教育の必要性とその背景について、説明をしていきます。
金融経済教育とは?
金融経済教育とは、個人や社会全体が金融リテラシーを高め、経済的な意思決定を適切に行うための教育を指します。
この教育は、基本的な金融知識から、投資や借金、リスク管理、税金に関する深い理解まで、幅広いテーマを含んでいます。
特に現代社会では、金融商品やサービスが多様化し、個々人が自分の資産を管理し、将来に備える必要がますます高まっています。
そのため、金融経済教育は、生活の質を向上させ、経済的な自立を促進するための重要なツールとされています。
それでは、 金融経済教育の目的とはなんでしょうか。
金融経済教育の主な目的は、以下の3点に集約されます。
1. 個人の経済的自立の促進
金融に関する基本的な知識を持つことで、個人は自分自身の資産や収入を管理し、将来に向けた計画を立てる能力を高めます。
例えば、貯金や投資の選択肢を理解し、適切なリスクとリターンのバランスを考慮した決定ができるようになります。
また、ローンやクレジットカードの利用に関するリスクを理解し、過剰な負債を避けるための行動を取ることも可能になりますので、若いうちから金融経済教育を受けることは、健全なお金の管理を行うことに繋がります。
2. 消費者としての保護
金融リテラシーが高い消費者は、金融機関や保険会社が提供する複雑な商品やサービスを正確に理解し、不利な契約や詐欺に巻き込まれにくくなります。
金融教育を受けた個人は、契約条件や手数料の構造を理解し、自分にとって最適な選択をする能力が向上します。
様々な情報が手軽に手に入る時代であるからこそ、何が本当の情報かを自分で判断する能力は、これからの時代において、とても重要な能力となってくるでしょう。
3. 経済全体の安定性の向上
個々人の金融リテラシーが向上することは、社会全体の経済的安定にもつながります。
人々が賢明な借入を行い、リスクを適切に管理することで、金融市場における不安定な動きが減少します。
また、適切な投資が促進されることで、経済の成長が長期的に支えられる可能性があり、日本の今後の経済を支える為には、個々人の金融リテラシーの向上は必要なスキルアップになるでしょう。
次に、金融経済教育の重要性について考えていきましょう。
金融経済教育の重要性は、現代の複雑な経済環境においてますます高まっています。
特に、以下の要因がその重要性を強調しています。
1. 金融商品の多様化
インターネットの普及に伴い、金融商品は一層複雑化・多様化しています。
例えば、株式や債券、投資信託、デリバティブ、仮想通貨など、さまざまな投資手段が個人にも開放されています。
これにより、適切な選択をするためには、リスクとリターンの仕組みや、市場の動向を理解する必要があります。
2. 老後資金の自己管理
日本における年金制度の変化や、高齢化社会の進展により、老後の資金管理はますます個人の責任となっています。
個人型確定拠出年金(iDeCo)や、積立NISAなどの制度を利用するには、基本的な投資知識が必要です。
適切な投資戦略を学び、長期的な視野で資産形成を行うことで、老後の生活の安定を図ることができます。
3. 債務問題の増加
クレジットカードや消費者金融の利用が広がる中、債務超過に陥るリスクも増大しています。
金融リテラシーが不足していると、利子や返済計画について十分に理解できず、過剰な借入れを行うことになります。
このような状況を防ぐためにも、正しい金融知識は必要になってきます。
今後重要になってくる金融リテラシーの向上ですが、金融経済教育の主なテーマというと何があるのでしょうか。
1. 貯蓄と投資
貯蓄と投資の違いや、リスクとリターンの関係について学びます。
個人がどのように資産を運用し、どのタイミングで投資を行うべきかを判断するための基本的な知識が提供されます。
2. 借金とクレジット
借金のメリットとリスク、利子の仕組み、返済プランの重要性について理解することが求められます。
特に、クレジットカードの利用方法や、債務管理の重要性が強調されます。
3. リスク管理と保険
生命保険、医療保険、損害保険など、各種保険商品について学び、リスクに備える方法を身につけます。
特に、保険が家計の安定にどのように寄与するかを理解することが重要です。
4. 税金と社会保障制度
税金の仕組みや、その役割を理解することも重要です。
また、年金制度や医療保険制度など、社会保障制度についても基本的な知識が求められます。
それでは、金融経済教育を行う為の方法についても考えてみましょう。
金融経済教育は、学校教育の一環としてだけでなく、生涯学習の一部としても行われるべきです。
例えば、若い世代には、学校での授業を通じて、基本的な金融知識を身につける機会を提供することが考えられます。
一方で、成人や高齢者には、自治体や企業が提供するセミナーや、オンラインでの学習プログラムを通じて教育が行われることが一般的です。
さらに、デジタルツールやシミュレーションゲームを活用することで、より実践的な金融教育が行われることも増えています。
これにより、実際の生活に即した形で、金融知識を身につけることが可能になっています。
金融経済教育の背景や必要性
現代社会において、金融や経済に関する知識は、日常生活のあらゆる場面で必要不可欠です。
技術の進化に伴うキャッシュレス化や複雑な金融商品が増加する一方、詐欺の手口も巧妙化しています。
こうした背景から、金融経済教育の重要性がかつてないほど高まっていると言えるでしょう。
今回は金融経済教育の背景や必要性について、3つの観点に絞って確認をしていきましょう。
現代はキャッシュレス化している
現代社会では、キャッシュレス化が急速に進んでいます。
従来の現金取引に代わり、クレジットカードやデビットカード、電子マネー、モバイル決済(PayPayや楽天ペイなど)が広く普及しており、スマートフォンひとつで買い物や送金が可能な時代になりました。
日本においても、政府が「キャッシュレス・ビジョン」を掲げ、キャッシュレス決済比率を向上させる政策を進めていることから、この流れは加速しています。
しかし、キャッシュレス化が進む一方で、その仕組みを理解していないと不安や不利な状況に陥る可能性もあります。
たとえば、クレジットカードのリボ払いの仕組みや、モバイル決済のセキュリティリスクについての知識が不足していると、高額な手数料や詐欺被害に遭うリスクが増します。
このため、キャッシュレス社会に適応するためには、消費者が基本的な金融リテラシーを身につけることが必要不可欠です。
幼少の頃からお金のことを学ぶ必要性が出てきている
現代社会では、幼少期からお金に関する基本的な知識を学ぶ必要性がますます高まっています。
子どもたちが大人になったときに直面する経済的な選択肢や責任がますます複雑化しているため、早い段階から金融リテラシーを身につけることが重要です。
これは、単にお金を使う能力だけでなく、計画的な消費や貯蓄、投資の重要性、さらにはリスク管理など、将来にわたる経済的自立を支えるための基盤となるものです。
また、金融教育を通じて、子どもたちが計画的にお金を管理する方法を学ぶことは、将来の大きな経済的意思決定にも役立ちます。
たとえば、貯金の習慣を身につけることや、目標を設定してそのためにお金を蓄える力は、将来の大きな買い物や投資、さらには老後の資金計画にまで影響を及ぼします。
加えて、子ども時代からお金に対する健全な価値観を持つことは、無駄遣いや過剰な借金を避ける上で極めて有益です。
金融詐欺も増加している
現代社会において、金融詐欺の増加は深刻な問題となっています。
インターネットの普及やキャッシュレス社会の進展に伴い、詐欺の手口も高度化し、ますます巧妙な方法で個人や企業を狙うケースが増えています。
このような詐欺から身を守るためには、金融リテラシーの向上が不可欠であり、金融詐欺のリスクを理解し、適切に対応するための知識とスキルが必要です。
金融詐欺の代表的な手口としては、振り込め詐欺や、フィッシング詐欺、投資詐欺などが挙げられます。
特にフィッシング詐欺では、正規の金融機関や企業を装ったメールやSMSが送られ、個人情報やパスワード、クレジットカード情報などが不正に取得されます。
これにより、被害者の口座が乗っ取られ、資金が不正に引き出されるケースが後を絶ちません。
インターネットバンキングやモバイル決済が一般化する中で、詐欺のリスクも一層高まっています。
金融詐欺に対抗するためには、消費者が最新の詐欺手口や対策について知識を持つことが重要です。
特に、オンラインバンキングや電子マネーの利用者は、自分の口座情報やパスワードを他人に教えない、公式サイト以外からのリンクをクリックしないといった基本的な対策を実践する必要があります。
さらに、銀行や金融機関からの正規の連絡方法を理解し、不審なメールやメッセージを受け取った場合には直ちに確認を行う習慣をつけることが重要です。
ミライブの金融経済教育サービスについて
ミライブでは、金融教育に関するセミナーやイベントを世代別・テーマ別に開催しています。
セミナーやイベントは参加型で、金融教育を、『楽しく学ぶ場』を創造します。
お子様向けコンテンツはもちろん、社会人になってからお金について学ぶことのできるようなパッケージもご用意しております。
社会人になってからお金に関して学ぶというのは、まだまだ身近ではなく、学びたくてもどこで学べば良いかわからないという言葉をよく耳にします。
その為、会社として、従業員の福利厚生の一部という形をとり、金融教育を取り入れる会社は増えてきています。
金融教育が必要と考えている従業員は多く、魅力的な福利厚生制度として他社との差別化を図ることが可能になります。
ミライブではこれまで、専門家(ファイナンシャルプランナー)によるライフプランセミナー企業型確定拠出年金(DC)の導入 および フォローアップ研修既存研修(新人研修、マネジメント研修など)への金融教育の追加ファミリーデーなどで、お子さま向け金融教育イベントの開催など、様々な視点から金融教育を実施しています。
将来の大きな不安ではなく、なんとなく、漠然とした不安を抱えていると感じる方の『不安の種』が育ってしまう前に、『金融教育』という種を育んでいくことが可能です。
ミライブの金融教育では、社会人の皆様はもちろん、お子様のうちからお金について学ぶことのできるお子様向けトレーニングなど、様々な年齢で受けて頂けるコンテンツが豊富にございますので、皆様の必要なものを取り入れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
金融経済教育は、個人の経済的な安定と社会全体の経済的な健全性を確保するために不可欠な要素です。
金融商品やサービスが複雑化し、自己責任での資産管理が求められる現代において、正しい金融知識を身につけることは、将来のリスクに備える上でも非常に重要です。
したがって、金融リテラシーを高めるための教育機会を増やし、すべての世代が安心して経済生活を送ることができる為の支援は、これからどんどん重要性を増していくことでしょう。
元記事発行日:2024年10月1日、最終更新日:2024年10月9日