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iDeco(個人型確定拠出年金)とは?制度概要や仕組みを解説

確定拠出年金とは?

確定拠出年金は、拠出された掛金とその運用益との合計額をもとに、将来の給付額が決定する年金制度です。

確定拠出年金の特徴として、次の点が挙げられます。

  • 運営管理機関(金融機関等)が選定・提示する運用商品(投資信託、保険商品、預貯金等)の中から、加入者等自身が商品を選んで運用します。
  • 運用の結果に応じて給付額が決定されます。
  • 加入者等は、複数の運用商品を選ぶこともでき、運用の途中で運用商品を変更することもできます。
  • 老後までの間の運用結果が将来の給付額に影響するため、個々の加入者が適切な資産運用を行うための情報や知識を有していることが重要です。

そのため、確定拠出年金を実施している事業主は、加入者等に対して必要かつ適切な「投資教育」を行わなければなりません。

  • 年金資産が個人ごとに区分されていて、いつでも残高を確認できます。
  • 退職時に年金資産の持ち運び(ポータビリティ)ができます。
  • 掛金拠出時、運用時及び給付時において税制優遇があります。

確定拠出年金の種類

掛金を事業主が拠出する企業型確定拠出年金(DC)と、加入者自身が拠出する個人型確定拠出年金(iDeCo)があります。

企業型確定拠出年金とは?

企業型(DC)は事業主が主体となり実施される制度で、その事業主が使用する従業員が加入者となります。

掛金は事業主が拠出するほか、規約に定めることで事業主の掛金に上乗せして、加入者が一定の条件で掛金を拠出する「マッチング拠出」を設けることができます。

(実施主体)企業型年金規約の承認を受けた事業主

(加入対象者)実施企業に勤務する従業員

※厚生年金保険の被保険者のうち厚生年金保険法第2条の5第1項第1号に規定する第1号厚生年金被保険者、または同項第4号に規定する第4号厚生年金被保険者

(掛金)

事業主拠出

※企業型年金規約に定めた場合は加入者も拠出可能(マッチング拠出)

(拠出限度額)

  • 確定給付型の年金を実施していない場合:55,000円/月
  • 確定給付型の年金を実施している場合:27,500円/月

※マッチング拠出の限度額は、事業主掛金額を超えず、かつ、事業主掛金額とマッチング拠出による事業主掛金額の合計が55,000円/月(確定給付型の年金を実施している場合は27,500円/月)の範囲内

個人型確定拠出年金(iDeCo)とは?

個人型(iDeCo)は国民年金基金連合会が実施する制度で、原則として20歳以上60歳未満の全ての方(企業型DCの加入者である場合は、加入している企業型DCの規約でiDeCoに加入できる旨が定められていることが必要)が加入できます。掛金は加入者自らが拠出します。

(実施主体)

国民年金基金連合会

(加入対象者)

1.国民年金第1号被保険者(自営業者等)

※農業者年金の被保険者、国民年金の保険料免除者を除く。

2.国民年金第2号被保険者(厚生年金保険の被保険者)

※公務員や私立学校教職員共済制度の加入者を含む。

※企業型DC加入者においては、以下の全てにあてはまる場合に限る。

(1)掛金(企業型DC・iDeCo)が各月拠出である。

(2)iDeCoの掛金額は、企業型DCの事業主掛金額と合算して各月の拠出

限度額を超えていない。

(3)企業型DCの加入者掛金を拠出していない。

3.国民年金第3号被保険者(専業主婦(夫)等)

4.国民年金任意加入被保険者

(掛金)

加入者拠出

※「iDeCo+」(イデコプラス・中小事業主掛金納付制度)を利用する場合は事業主も拠出可能。

(拠出限度額)

1.国民年金第1号被保険者(自営業者等):68,000円/月

※国民年金基金の掛金、または国民年金の付加保険料を納付している場合は、それらの額を控除した額

2.国民年金第2号被保険者(厚生年金保険の被保険者)

  • 確定給付型の年金及び企業型DCに加入していない場合(公務員を除く):23,000円/月
  • 企業型DCのみに加入している場合:20,000円/月

※企業型DCの事業主掛金額との合計額が55,000円の範囲内

  • 確定給付型の年金のみ、または確定給付型の年金と企業型DCの両方に

加入している場合:12,000円/月

※企業型DCの事業主掛金額との合計額が27,500円の範囲内

  • 公務員:12,000円/月

3.国民年金第3号被保険者(専業主婦(夫)等):23,000円/月

4.国民年金任意加入被保険者:68,000円/月

※国民年金基金の掛金、または国民年金の付加保険料を納付している場合は、それらの額を控除した額

※確定拠出年金制度の概要(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/kyoshutsu/gaiyou.html#202

個人型と企業型を併用することはできますか?

これまで企業型DCの規定により個人型iDeCoに加入できなかった加入者の方も、条件(下記1.~3.)を満たすことで、2022年10月以降は原則、加入できるようになりました。

1.各月の企業型DCの事業主掛金額と合算して月額5.5万円を超えていない

個人型iDeCoの掛金額は、月額2万円(DB等の他制度にも加入している場合は月額1.2万円)かつ事業主の拠出額と合算して月額5.5万円(同2.75万円)の範囲内とすることが必要です。

※掛金の上限額は、お勤め先の企業年金(企業型DCや確定給付型の企業年金等)の実施状況により異なります。

※DB等の他制度とは、確定給付企業年金(DB)、厚生年金基金、石炭鉱業年金基金、私立学校教職員共済をいいます。

事業主の拠出額によっては、個人型iDeCoの掛金の上限が小さくなる場合、掛金の最低額(5千円)を下回り、掛金を拠出できなくなる場合などがあります。

2.掛金(企業型の事業主掛金・iDeCo)が各月拠出であること

企業型DCの事業主掛金と個人型iDeCoの掛金については、任意に決めた月にまとめて拠出(年単位拠出)することも選択可能となっていますが、今回の要件緩和は、事業主掛金と個人型iDeCoの掛金について、各月の拠出限度額の範囲内での各月拠出に限ります。

事業主掛金が各月の拠出限度額の範囲内での各月拠出となっていない場合は、個人型iDeCoに加入することができません。

3.企業型DC のマッチング拠出を利用していないことマッチング拠出を導入している企業の企業型DC加入者については、加入者毎にマッチング拠出とするか個人型iDeCoに加入するかを選択できます。

※マッチング拠出と個人型iDeCoの併用はできません。

企業型DCでマッチング拠出中ですが、個人型iDeCoを併用したい場合は?

企業型DCにて、マッチング拠出を活用されている場合は、個人型iDeCoに加入はできませんので、企業型DCでのマッチング拠出を停止してから、個人型iDeCo口座の開設手続きが必要になります。

1.マッチング拠出停止の手続きを行う。

2.マッチング拠出停止後、個人型iDeCoの口座開設を行う。

所属会社の規定などが関係してきますので、担当部署に確認することをおすすめします。

企業型DCと個人型iDeCoを併用することがおすすめな方の特徴

企業型DCと個人型iDeCoを併用するときのメリットは大きく2点になります。

1.拠出金額(加入者掛金)を増やすことができます。

呼出限度額は、諸状況により制限がありますが、現在加入中の企業型DCにて、拠出限度額が、27,500円の場合、マッチング拠出を使用するよりも個人型iDeCoを活用した方が、拠出可能額がプラスになります。  

2.運用商品を増やすことができます。

企業型DCでは、加入手続きのほとんどは企業が行ってくれます。

運営管理機関(金融機関)の選定も企業が行い、毎月拠出する掛金や企業型DCの口座管理にかかる手数料も企業が負担してくれます。

ただし、運用商品のラインナップが限定されます。個人型iDeCoの方が、運用商品の取扱い本数が多い場合がほとんどで、選択肢が広がります。

「企業型DCのみ」がおすすめな方は?

ご自身で拠出することが無ければ、個人型iDeCoとの併用はできません。

確定拠出年金には、「原則として、60歳までは運用資産は引き出せない」というデメリットがあります。

確定拠出年金の所得控除は魅力的ですが、ライフプラン上、手元資金を準備する必要がある方はタイミングをみてスタートすることをおすすめします。

「企業型DCと個人型iDeCoの併用」がおすすめな方は?

セカンドライフ資金を用意する方法として確定拠出年金はおすすめできます。

「老後資金2,000万円問題」はご記憶に新しいと感じます。

老後は年金以外の資産として、2,000万円必要だと騒動になりました。

金融広報中央委員会の調査(2022年)によると、世帯主が60歳代の世帯における金融資産保有額は、平均1,819万円、中央値は約700万円となっています。

また、退職金の平均(大学卒勤続38年の場合)は、大企業で、約2,230万円、中小企業で約1,092万円という結果があります。

足りない部分は「自助努力」となります。

どうしても運用が嫌いな方は、「元本確保型」を活用することも選択肢に入ります。

拠出額は基本的には、所得控除の対象となります。

確定拠出年金に1万円拠出するのと、給与として手元に来た1万円を貯蓄するのではスタートから差が出ています。

ただし、収益に関しても非課税となるため、元本確保型で積上げた場合でも、銀行預金よりは手元に残る金額が増えることが想定されますが、セカンドライフ資金は、20年、30年と積上げる場合も多く、物価上昇に資産が増えるスピードが負けてしまうことが想定されます。

元本変動のリスクがあっても、運用利回りを期待できる商品を選択して

時間を味方につけることがプラスになります。

確定拠出年金のことならミライブにお任せください

皆さまは、運用や金融というと苦手意識を持っている方が多いのではないでしょうか。

社会や経済の仕組みは身近な話題であり、伝え方を工夫するだけで、誰でも比較的短い時間で、効果を、実感することが可能です。

ミライブでは、社会人の皆さまのリスキリングの機会として、無料のオープンイベントなどの『学びの場』を提供しています。

この機会に、「はじめの一歩」を踏み出してみてはいかがでしょうか。

また確定拠出年金制度は、導入後も定期的な投資教育を実施しなければならないことになっていますので、『何をやったら良いのか?』『どうやって実施したら良いのか?』と企業担当者の方からのご質問を受けます。

金融教育の潜在ニーズは高く、魅力的な福利厚生制度として他社との差別化を図ることが可能になります。 

※確定拠出年金の投資教育(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/kyoshutsu/kyouiku.html

ミライブではこれまで、

  • 専門家(ファイナンシャルプランナー)によるライフプランセミナー
  • 企業型確定拠出年金(DC)の導入 および フォローアップ研修
  • 既存研修(新人研修、マネジメント研修など)への金融教育の追加
  • ファミリーデーなどで、お子さま向け金融教育イベントの開催

など、様々な視点から金融教育を実施しています。

セミナーやイベントは参加型で、金融教育を、『楽しく学ぶ場』を創造しています。

従業員の皆さまは、将来の大きな不安ではなく、なんとなく、漠然とした不安を抱えていると感じる方が多いようです。

『不安の種』が育ってしまう前に、『金融教育』という種を育んでいきます。

ミライブの金融教育では、従業員エンゲージメントを高めることを意識し、『目的』・『トレーニング内容』・『実施方法』をカスタマイズして、最適解をご提案いたします。

元記事発行日:2024年8月24日、最終更新日:2024年8月23日