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退職金制度を導入したい!と思ったら何をするべき?まず整理したい4つの項目をお伝えします

退職金制度は、従業員に対する重要な福利厚生の一つであり、企業が長期的な人材確保やモチベーション向上を図るための有効な手段です。

しかし、退職金制度の導入にはさまざまな選択肢や法律的な側面が絡むため、慎重な検討と準備が必要です。

この記事では、退職金制度の一般的な種類から、導入の流れや注意点までを詳しく解説します。

企業が自社に適した退職金制度を構築し、従業員に対して公正かつ魅力的な待遇を提供できるよう、具体的なステップを紹介していきます。

退職金制度の一般的な種類

退職金制度にはいくつかの種類があり、企業の規模や財務状況、従業員のニーズに応じて選択肢が広がります。

ここでは、日本で一般的に導入されている退職金制度の主な種類について説明します。

確定給付企業年金

確定給付企業年金は、企業があらかじめ定めた給付額を従業員が退職時に受け取る制度です。

この制度では、企業が定期的に掛け金を拠出し、年金としての給付額を確定させる点が特徴です。

従業員にとっては、退職後の収入が安定するメリットがありますが、企業にとっては将来の給付額を保証するため、長期的な資金計画が必要となります。

確定給付企業年金は、企業の財務状況が悪化した場合でも従業員への給付が確保されるため、従業員にとって非常に安心感がありますが、一方で企業にとっては将来の運用リスクを負う必要があるため、慎重な運用計画が求められます。

確定拠出年金(401K)

確定拠出年金は、従業員が自己責任で年金資産を運用する制度で、企業が毎月一定額を拠出し、その資金を従業員が自ら投資して運用する形になります。

従業員の年金受取額は、運用成果によって変動するため、自己資産を増やす機会がある一方で、運用が失敗した場合は受け取る年金額が減少するリスクもあります。

企業にとっては、確定拠出年金は確定給付企業年金に比べて将来的な負担が明確であり、従業員にとっても自身の工夫により退職金を増やす可能性が広がるということが魅力です。

また、持ち運べる退職金制度とも呼ばれていて、転職や独立をした場合にも、次の会社や個人型の確定拠出年金(iDeCo)に移管をすることができるというのも、今後の多様化する働き方ではメリットになってくるのではないでしょうか。

このような様々なメリットがあり、近年では、日本でもこの制度を導入する企業が増えています。

特に若い世代の従業員にとっては、自己資産を運用するスキルを学べることが、キャリア形成にも役立つとされています。

中小企業退職金共済制度

中小企業退職金共済制度(中退共)は、中小企業が加入できる公的な退職金制度です。

中退共は、企業が毎月一定額を掛け金として支払うことで、従業員が退職時に一時金として受け取る形式です。

中小企業にとって、手軽に退職金制度を導入できるため、多くの企業が利用しています。

中退共の最大のメリットは、企業が負担する掛け金が税制優遇を受けられる点と、従業員が退職する際の支給金額が明確である点です。

また、事務手続きが比較的簡便で、制度運営も安心できるため、中小企業にとっては大きな負担なく導入できる仕組みとなっています。

前払退職金

前払退職金制度は、従業員の毎月の給与に退職金分を上乗せして支給する制度です。

この制度では、従業員が退職金を受け取るのではなく、在職中に給与として受け取る形になります。

そのため、従業員にとっては、資金の流動性が高まるというメリットがあります。

企業にとっては、退職時の大きな支出を避けることができる点が魅力です。

ただし、退職金としてのインパクトが薄れてしまうため、退職金を目的とした長期的な人材確保の観点では注意が必要です。

また、従業員が自分で退職後の資産形成を行う意識が求められる為、従業員の金融リテラシーの差が大きく影響を及ぼす可能性があります。

社内準備退職一時金

社内準備退職一時金は、企業が内部で資金を積み立て、従業員の退職時に一時金として支給する制度です。

この方式は、企業の財務状況に応じて自由に積み立てることができるため、柔軟性がありますが、企業が全額負担するため、退職金の準備が大きな負担となることがあります。

社内準備退職一時金は、企業が計画的に資金を確保することが求められ、将来の支払いに備えて継続的な準備が必要です。

また、税制面でも一定の優遇措置がありますが、他の制度に比べて企業の負担が重くなる可能性があるため、しっかりとした資金計画が欠かせません。

退職金制度を作る際に考えるべきこと

退職金制度を導入するにあたり、企業はさまざまな要素を考慮しなければなりません。

制度設計を成功させるためには、企業の目的や従業員のニーズに応じた柔軟な対応が不可欠です。

失敗したくない退職金制度の導入を考える際、まず整理しておきたい4つの項目について、見ていきましょう。

退職金の支給目的

まず、退職金を支給する目的を明確にすることが重要です。

退職金制度は、従業員の退職後の生活をサポートするだけでなく、長期的な勤続を促すためのインセンティブとして機能することもあります。

また、従業員に対する感謝の気持ちや報酬の一環としての役割も果たします。

企業は、自社の経営戦略や人材確保の方針に基づいて、退職金の支給目的を明確にし、その目的に応じた制度設計を行う必要があります。

退職金を準備する方法

退職金を準備する方法は、前述の制度ごとに異なりますが、大きく分けて外部の制度を活用する方法と、社内で資金を積み立てる方法があります。

外部の制度を利用する場合、税制優遇や運用リスクの分散が図れる一方で、社内で準備する場合は企業独自の柔軟な運用が可能です。

また、退職金の支給タイミングや額についても、企業のキャッシュフローや財務状況を考慮して決定する必要があります。

計画的に積み立てを行うことで、退職時の大きな出費を避け、企業の経営に負担をかけずに退職金を支給することが可能です。

対象者の確認

退職金制度を導入する際は、どの従業員を対象とするかを明確にすることが大切です。

たとえば、正社員のみを対象とするのか、契約社員やパートタイマーも含めるのかを検討します。

また、勤続年数や年齢によって支給額を変えるなど、対象者に応じた柔軟な設計が求められます。

特に、全従業員を対象とする場合、制度の公平性が重要となります。

不公平感が生じると、従業員のモチベーション低下につながる可能性があるため、制度設計の際は慎重に検討する必要があります。

社内に周知する

退職金制度を導入した後は、従業員に対してしっかりと周知することが重要です。

制度の内容や条件、支給タイミングなどを明確に説明し、従業員が制度を理解し利用できるようにすることが求められます。

具体的には、社内説明会を開催したり、従業員ハンドブックや社内ポータルサイトで詳細を共有したりする方法があります。

特に、退職金制度は将来的な福利厚生として重要な役割を果たすため、全従業員に理解してもらうことが不可欠です。

退職金制度を作る(導入する)際の流れ

退職金制度の導入は、計画的に進める必要があります。

以下は、退職金制度を導入する際の一般的な流れです。

1. 目的と方針の決定  

   退職金制度の目的や支給方針を明確にし、自社のニーズに合った制度を選定します。  

2. 社内外の調査・比較

   他社の導入事例や外部制度(中退共や確定拠出年金など)を比較検討し、最適な制度を決定します。

3. 制度設計の詳細化  

   対象者や支給額、支給タイミングを具体的に決定し、制度の詳細を詰めていきます。

4. 社内の合意形成

   役員や従業員代表と協議を行い、制度導入に向けた合意形成を図ります。

   特に、大規模な企業では労働組合との協議が必要な場合もあります。

5. 外部機関との契約・手続き

   外部の退職金制度を利用する場合は、契約手続きを行います。

   必要な書類を準備し、加入手続きを進めます。

6. 社内への周知と説明

   制度が決定したら、従業員に対して周知・説明を行います。

   説明会やマニュアルの配布などを通じて、制度の内容を徹底的に理解してもらいます。

7. 運用開始と定期的な見直し 

   制度導入後は、計画的に運用を進めます。

   また、企業の状況や法改正に応じて、定期的な見直しが必要です。

退職金制度の導入はミライブにお任せください!

いかがでしたでしょうか。

退職金制度をこれから作っていこうと考える際に、まとめてみること、導入する場合の流れについて、理解が深まりましたでしょうか。

退職金制度は種類も多く、それぞれにメリット、デメリットがありますが、専門的な知識や手続きが必要となり、複雑に思われるケースが多いため、制度導入がなかなか進まないというお話もよく聞きます。

導入や見直しをお考えの際には、一度専門家へのご相談をされてみるのはいかがでしょうか。

ミライブでは、お一人から加入可能なダイレクト401Kの導入支援、また既に導入されている企業様の継続教育の支援をさせて頂くことが可能です。

確定拠出年金の導入を検討する場合には、掛金をどのように予算として組み込んでいくべきか、導入することのメリットは、自社の場合どのくらいあると考えれば良いのかなど、各企業様の状況に合わせてお話をさせて頂きます。

貴社のニーズに合わせてカスタマイズした退職金制度の設計をお手伝いしますので、安心してお任せください。

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元記事発行日:2024年10月23日、最終更新日:2024年11月18日