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エンゲージメントと生産性に相関性はある?生産性の高め
現代のビジネス環境において、従業員の働きがいを表すエンゲージメントと生産性は密接に関連しています。
エンゲージメントの高い従業員は、生産性が向上し、企業全体のパフォーマンスを引き上げるとされています。
しかし、具体的にはどのような関係があるのかご存知でしょうか?
今回は、エンゲージメントの定義から、その重要性、そして生産性との関連性について詳しく探ります。
また、エンゲージメントを向上させるための具体的な方法などについても紹介します。

目次
エンゲージメントとは?
エンゲージメント(engagement)とは、組織や職場における従業員の情熱、関与、献身の度合いを指します。
経営学分野でエンゲージメントの概念を初めて提示したのは、ボストン大学のウィリアム・カーン教授です。
カーンは1990年発表の論文で、従業員が仕事へ打ち込む心理的・感情的な度合いが業績を左右すると述べました。
具体的には、従業員が仕事にどれだけ熱心に取り組み、会社の成功に対してどれだけの意欲を持っているかを示します。
エンゲージメントの高い従業員は、業務に対して積極的であり、自らの役割を超えて積極的に貢献しようとします。
たとえば、エンゲージメントが高い従業員は、自分の業務だけでなく、他のチームメンバーのサポートや会社全体の目標達成にも積極的に関与します。
また、彼らは新しいアイデアを提案し、業務の効率化や改善に積極的に取り組むことが多いでしょう。
(参考)エンゲージメントとは(厚生労働省)
https://work-holiday.mhlw.go.jp/work-engagement
エンゲージメントが注目されている理由
最近では、多くの企業がエンゲージメントの重要性に気付き、その向上に力を入れています。
エンゲージメントが高い従業員は、職場での満足度が高く、離職率が低いとされています。
さらに、エンゲージメントは企業の生産性や競争力を向上させる要素として注目されています。
一例として、エンゲージメントが高いことで従業員のモチベーションが向上し、仕事に対する情熱が生まれることがわかっています。
また、エンゲージメントの高い職場では、チームワークが強化され、コミュニケーションが円滑になるため、業務効率の向上が期待できるでしょう。
エンゲージメントが注目される理由の一つには、企業のブランドイメージや社員満足度の向上も含まれます。
エンゲージメントと生産性に相関性はあるのか
エンゲージメントと生産性の関係については、さまざまな研究が行われています。
近年の調査によって、エンゲージメントの度合いと企業業績や生産性の間に相関関係があることが分かってきました。
例えば、厚生労働省の令和元年版「労働経済の分析」によると、ワーク・エンゲージメント・スコアが1単位上昇すると、労働生産性が1~2%上昇する可能性が分かっています。
(参考)「働きがい」をもって働くことのできる環境の実現に向けて(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/19/dl/19-2-2-3.pdf
またほかにもいくつかの主要な研究結果をご紹介いたします。
「Gallupの調査」
Gallup社の調査によると、エンゲージメントの高い従業員がいる企業は、生産性が21%向上し、利益率が22%増加することが示されています。
「ハーバードビジネスレビュー」
ハーバードビジネスレビューによると、エンゲージメントの高い従業員は、離職率が37%低く、欠勤率が41%減少することが報告されています。
「コーネル大学の研究」
コーネル大学の研究では、エンゲージメントの高い従業員がいる企業は、顧客満足度が10%向上し、従業員の健康状態も良好であることが示されています。
エンゲージメントが高いことで生産性が高まる理由
ではなぜ、エンゲージメントが高まると企業の業績や生産性が向上するのでしょうか。
その理由について、4つの観点から考えていきましょう。
教育コスト(採用コスト)が下がるため
エンゲージメントが高い従業員は、会社に長く留まる傾向があります。
そのため、企業は新しい従業員の採用や教育にかかるコストを削減できます。
さらに、経験豊富な従業員が社内に多く残ることで、知識やスキルの継承が円滑に行われます。
例えば、新しい従業員を採用し、教育するためには、多大な時間とリソースが必要です。
しかし、エンゲージメントが高い従業員が長期間働くことで、そのコストを抑えることができるでしょう。
また、経験豊富な従業員が社内に多く残ることで、後輩の教育や指導がスムーズに行われるため、組織全体の成長の促進が期待できます。
集中力が上がるため
エンゲージメントの高い従業員は、業務に対して高い集中力を持っています。
仕事に対する熱意や情熱があるため、仕事に集中しやすくなり、結果として生産性が向上します。
例えば、Deloitteの調査によると、エンゲージメントの高い従業員は、集中力が高まり、タスクの完了時間が平均で40%短縮されることが示されています。
具体的には、エンゲージメントの高い従業員は、業務中に不必要な中断を減らし、効率的に仕事を進めることができます。
また、彼らは自分の業務に対して高い責任感を持っているため、ミスや遅延を減らすことができます。
結果として、チーム全体の生産性が向上し、業務の質も向上します。
欠勤率・離職率が減るため
エンゲージメントの高い従業員は、会社に対するロイヤルティが高いため、欠勤率や離職率が低くなります。安定した労働力が確保できることで、業務の連続性や効率が向上します。
例えば、Gartnerの調査によれば、エンゲージメントの高い企業は、欠勤率が20%低く、離職率が25%減少することが確認されています。
エンゲージメントの高い従業員は、会社のビジョンや目標に共感し、長期的な視点で働くことを重視します。
そのため、会社に対する信頼感が高まり、積極的に業務に取り組む姿勢が生まれます。
また、エンゲージメントが高い職場では、従業員同士のサポートや協力が強化されるため、職場の雰囲気が良好になり、働きやすい環境が整います。
結果を出そうというマインドが生まれるため
エンゲージメントの高い従業員は、成果を出すことに対して強い意欲を持っています。
自分の努力が会社の成功に繋がると実感しているため、業務に積極的に取り組み、結果を出そうとします。
ほかにも自分の役割や責任を理解し、それを果たすために努力するでしょう。
また、彼らは目標達成に向けて計画を立て、効率的に業務を進めることができます。
結果として、個人の成果が積み重なり、チーム全体や組織全体の成果に繋がります。
エンゲージメントを改善するためには
従業員エンゲージメントを高めるためには、企業は戦略的に取り組む必要があります。
そのためにはエンゲージメントを改善するための戦略を知っておく必要があるでしょう。
今回は4つのポイントについてご案内します。
コミュニケーションの強化
オープンで活発なコミュニケーションは、エンゲージメントを高める上で重要な要素です。
従業員との定期的なコミュニケーションを図り、意見やフィードバックを取り入れましょう。
働きがいのある環境作り
「この会社で働いていて良かった」と実感できるような、魅力的な職場環境を作ることは、エンゲージメント向上に欠かせません。
従業員のスキルアップやキャリアパスを支援し、成長を促す環境を提供しましょう。
企業理念への共感と主体性を育む
従業員が会社に貢献したいという気持ちを持てるかどうかは、エンゲージメントレベルに大きく影響します。
従業員の意見やアイデアを積極的に採用し、実現することで、会社への貢献を実感させ、更なる意欲を引き出すことはポイントの一つでしょう。
適切な評価とフィードバック
従業員の頑張りを適切に評価し、フィードバックすることは、モチベーション維持に繋がり、エンゲージメント向上に大きく貢献します。
定期的なフィードバックは、従業員の成長を促し、パフォーマンス向上に繋がるだけでなく、上司との信頼関係構築にも役立ちます。
エンゲージメントを改善する流れ
エンゲージメントを効率的に高めるには、手順を理解しておくことが重要です。
ここではエンゲージメントが改善されるまでの流れを見ていきましょう。
下記を意識することで、従業員が企業に対してより強い帰属意識を持ち、自発的に働けるようになります。
- 理念・ビジョンを明確化する
- 調査により課題を把握する
- 課題への解決策を立案し実行する
- エンゲージメントを計測する
- PDCAを繰り返す
企業への帰属意識を高めるには、いくつかの重要なステップがあります。
まず、企業の理念やビジョンを明確にし、それを従業員と共有することが大切です。
これは、従業員が企業の目標や価値観を理解し、共感することにつながります。
次に、エンゲージメント調査を実施して、従業員が企業に対して抱いている意見や不満を把握します。
この調査にはアンケートやインタビューなどの方法がありますが、企業に合った方法を選ぶことが重要です。
その後、調査結果を基にして、課題解決のための具体的な施策を立案し、実行します。
このとき、すべての課題に取り組むのではなく、実行しやすく効果が見込める施策に絞ることがポイントです。
施策を実行した後は、再度エンゲージメント調査を行い、施策の効果を確認します。
これにより、施策が従業員のエンゲージメントにどのような影響を与えたかを測定し、企業と従業員が成果を共有することができます。
最後に、PDCAサイクルを繰り返して、常に改善を図ります。定期的に調査を実施し、結果を確認することで、従業員のエンゲージメントを継続的に向上させることができます。
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まとめ
エンゲージメントと生産性には強い相関性があり、エンゲージメントが高まることで生産性も向上することが多くの研究で示されています。
エンゲージメントを高めるためには、コミュニケーションの強化やキャリア開発の支援、柔軟な働き方の導入などが効果的です。
エンゲージメントの改善には継続的な努力が必要ですが、その結果として企業の競争力が向上し、持続可能な成長を実現することができます。
エンゲージメントや生産性向上に関するお悩みは、ミライブが全力でサポートいたしますので、ぜひご相談ください。
元記事発行日:2025年3月4日、最終更新日:2025年3月10日