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初心者必見!今さら聞けない確定拠出年金の選び方
確定拠出年金とは?
確定拠出年金(かくていきょしゅつねんきん)は、将来の年金や退職金を受け取るために、個人や企業が定期的に掛け金を拠出し、その資金を自分で選んだ運用商品に投資して運用する制度です。
運用成果に応じて受け取る金額が決まるため、運用の結果次第で受け取る年金額が変動します。
「Defined Contribution Plan」の頭文字を取り「DC」もしくは、アメリカの確定拠出個人年金制度「401k」を参考にしたので、「日本版401k」と呼ばれることもあります。
日本では「確定拠出年金」と訳されます。
企業型確定拠出年金(DC)、個人型確定拠出年金(iDeCo)共に、ご自身で、運用商品を選択する必要があります。
今回は、はじめて確定拠出年金をスタートする方、制度は始まっているけど、これまでほとんど何もやっていない方を対象に、自分で商品を選択するために注意するポイントをお伝えします。
確定拠出年金の選び方
確定拠出年金には、選択できる金融商品の一覧(運用商品ラインアップ)があります。
記載方法は運用会社単位で異なりますが、大まかに下記の4項目は記載させていますので、商品一覧を見る際の参考に活用ください。
商品区分
元本確保型:満期まで保有すれば元本が保証される商品です。
投資信託型:元本保証ではありません。
投資対象
投資対象資産の分類です。
(例)
- 国内株式型
- 海外先進国債券型
- 国内REIT型など
地域(国内・海外)、対象国(先進国・発展途上国)、資産(株式・債券・REITなど)等により大別します。
運用スタイル
投資対象に「どのようなスタイルでリターンを目指すか」を大きく2種類に分けています。
- パッシブファンド(インデックスファンド)
ベンチマーク(株式指数など、各ファンドで設定される目標)に連動することを目指して運用するファンド
- アクティブファンド
ベンチマークを上回ることを目指して運用するファンド
商品名
同じような運用スタイルを持つ商品が運用会社毎に設定されている場合が多いので、判別できるように運用会社名やスタイルが商品名に記されています。
愛称や略称がある場合があります。
リスク許容度を確認する
リスク許容度とは、リターンがマイナスになったときにどの程度までなら
許容することができるか、投資家が取り得るリスク水準を測る際の尺度と
なる考え方です。
証券会社で口座開設をする際や、保険商品を購入する際に確認されますので体験された方も多いかもしれません。
確定拠出年金は、老後(セカンドライフ)のための大切なお金ですので、損をしたくない気持ちは誰しもありますが、資産運用は、リスクなくしてリターンを得られることはありません。
ローリスクローリターン、ハイリスクハイリターンが原則です。
ご自身の経験や運用に関する感じ方を客観的に図ることができます。
(安全性重視タイプ)
運用未経験者、預金など、身近な運用法を好むタイプです。
さまざまな金融商品が出てきていますが、理解しないまま利用するのは危険なので、しばらくは無理をせず、貯蓄や資についてじっくりと勉強してみてはいかがでしょうか。
(安定成長タイプ)
基本的には安全性を好みますが、そろそろお金をふやす方法を考え直したいと考えている方が多いタイプです。
投資信託などは、すでに利用したことがある人も多いでしょう。
まだ利用したことがない人は、投資商品の中でも比較的リスクの少ない運用や保険商品の活用にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
(バランス運用タイプ)
そろそろ積極的な運用をしたいと考えはじめている人が多いのではないでしょうか。
金融資産の4割程度までを上限として、投資信託や外貨預金、株式投資、外国債券、外貨建て保険などにチャレンジしてみても良いかもしれません。
(積極運用タイプ)
金融の知識もかなり持ち得ているようです。
リスクの持つ意味も理解
している人が多いでしょう。
すでに実践的な投資をおこなっている人も多いと思いますが、あまり自信過剰になって、投資商品へ偏りすぎないように、リバランス(目標に対してブレ幅の修正)を行いながら投資を継続することをおすすめします。
※リスク許容度診断テスト(全国銀行協会)
https://www.zenginkyo.or.jp/article/tag-c/diagnosis/risktest
単一か組み合わせかを選ぶ
資産運用は、分散投資が基本です。分散投資とは、複数の資産に投資をすることです。
分散投資の重要性を説いた言葉で、「Don’tputallyoureggsinonebasket(すべての卵をひとつの籠に盛るな)」という格言があります。
一般に、株価と債券価格は異なる動きをする(負の相関関係)と言われており、そのような異なる値動きの資産を複数合わせもつことで、全体での価格の振れ幅が抑制され、リターンを安定させることが期待されます。
運用商品(ファンド)を選択する際の分散投資の方法は大きく2つの方法があります。
(バランスファンドを選択する)
コース料理の様に、株式や債券など複数の投資対象を組合せあらかじめ決めておいた資産配分などに合わせ運用していきます。
資産配分固定型と資産配分変更型のバランスファンドがあります。
【メリット】
- あらかじめ決められた配分で自動的に維持管理します。
【デメリット】
- 細かな設定はできません。
- 設定された資産に配分されてしまうので、運用効率を下げてしまう場合があります。
(自分でファンドを組み合わせる)
メニュー(運用商品ラインアップ)から、アラカルトで、好きなモノ(ファンド)を複数選び、配分比率もそれぞれ指定して、自分好みに組み合わせることが出来ます。
商品を選ぶ際に、数に制限はありません。
【メリット】
- 外部環境にあったファンドを自分の好みで選択できます。
- 運用管理コストが比較的安価になります。
【デメリット】
- メンテナンスの必要があります。
自分に合った投資対象を理解することも重要
確定拠出年金は、老後(セカンドライフ)となります。
自分にあった投資対象は、一度決めたら変わらないものではありません。
運用商品を適時リバランスすることも大切ですが、自分のライフプランにあった投資対象も時間の経過とともに変化していきます。
- 運用できる時間
長期に運用できる人のほうが、損失が出た場合でも、無理に換金せずに保有継続ができるため、リスク許容度を高く置くことができます。
反面、運用できる期間が短い人は、リスク許容度をあまり高くせず、低めに設定する必要があるかもしれまえん。
- 収支バランス(現在の収入と今後の予定)
収入が多い人や、これから増えていく人は、リスク許容度を高く置くことが可能です。
逆に収入が少ない人や、これから減少していく可能性が高い人は、リスク許容度は低めに設定する必要があります。
また収入が多くても、貯蓄が出来ない(ほぼ使用予定の資金)であれば、リスク許容度を高く置くことはできません。
- 保有資産額
保有資産が多い人は、リスク許容度も高くなる傾向があります。
- 本人の性格や投資経験(金融リテラシー)
運用資産が目減りすることにどの程度耐えられるかという感じ方は、ひとそれぞれ異なります。
ほぼ金利の付かない現金を、元本が確保されて安心と感じる人もいれば、物価上昇(インフレ)に対応できないと不安に感じる方もいます。
投資経験の少ない人は、自分のリスク許容度が高い場合も過大な評価はせず、ある程度リスクを抑えめにするか、投資金額を少なめにしてスタートする方が良い結果を得られるかも知れません。
確定拠出年金の選び方に関するよくある質問
初心者だから、聞きたいけど聞けない「はじめの一歩」の質問にお答えします。
ラインナップからいくつ選択できる?
選択する金融商品の事を、「ファンド」と言います。
いくつでも選択することが可能です。
また、「これからの積立額(拠出金)」「これまでの積立額(移管金)」ではファンド変更をする際の呼び方が異なりますので、一緒に覚えてしまいましょう。
「配分変更」=これからの積立額(拠出金)の運用方法の変更
「スイッチング」=これまでの積立額(移管金)の運用方法の変更
また、ファンドには、「目論見書」という投資信託がどのような目的や特色を持っているかを説明した書類と、「運用報告書」というこれまでの運用成果をまとめたものがあります。
結果だけではなく、どのように運用したか、今後の運用方針はどのようにしていくかも記されていますので、新規購入・リバランスの際は参考にしてみてください。
元本割れの可能性はある?
運用商品には、「元本確保型」といわれる商品と、「価格変動型」といわれる商品が用意されています。
元本確保型というのは、文字通り、積み立てた元本が確保されるタイプをいい、具体的な商品として「定期預金」と「保険」があります。
元本割れのリスクがないというメリットがありますが、低金利の状況だと将来の生活に必要な年金資産を増やせない、物価上昇(インフレ)の際に、価値が減少してしまうというデメリットがあります。
また、保険商品については満期を迎えず運用商品の変更(スイッチング)をした場合、解約控除金が差し引かれることがあります。
一方、価格変動型ですが、こちらは積み立てた元本が運用によって変動するタイプをいい、「投資信託」がこれに当たります。
運用成績に応じて値上がりして資産が増えることもありますが、値下がりして資産が減ってしまうということもあります。
運用商品ラインナップの中であれば、元本確保型でも価格変動型でも、どの商品を選んでかまいません。
決められた掛金額の範囲内で、複数の運用
商品を選ぶことも可能ですし、運用割合も自分で決めることができます。
初めてにおすすめの商品はある?
ファンドの選択に迷ってしまうという方は、「バランス型ファンド」を選択する方が多いようです。
バランス型ファンドは、運用会社に資産配分の調整をお任せできる商品性になっています。
運用期間が30年以上ある方は、バランス型ファンドの中でも株式比率が高いもの選択している方が多く、ハイリスクハイリターン型で運用し、リターンを生み出せる可能性をあげています。
また、最近は、「ターゲットイヤーファンド」も人気です。
一般的な「ターゲットイヤーファンド」では、あと何年運用するかを設定し運用期間が長いうちは、ハイリスクハイリターンの傾向を強め、運用期間が短くなるにつれて資産配分を変更し、ローリスクに自動調整するという特徴があります。
とはいえ、「ほったらかし」はおすすめできません。
ご自身のマイページにログインできないという話もよく聞きますが、定期的な動きの確認と、目標とのリバランスは忘れずに実施してください。
少し経験が積みあがってきたころには、ご自身のライフプランに合わせ、アラカルトでファンドの選択をしてみてはいかがでしょうか。
確定拠出年金だけで、老後(セカンドライフ)資金の全てを賄うことは難しいと思いますが、確定拠出年金以外の資産も含め、ご自身の大切な資産運用を「運任せ」にしないようにご注意ください。
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元記事発行日:2024年10月11日、最終更新日:2024年11月18日