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リスキリングの研修事例5選【研修内容もご紹介します】

近年、急速な技術革新や市場の変化に伴い、企業や個人が求められるスキルは劇的に変化しています。これに対応するため、多くの企業が注目しているのが「リスキリング(Re-skilling)」です。

リスキリングとは、新しい業務や役割に適応するために必要なスキルを習得し直す取り組みを指し、社員の能力を高めるだけでなく、企業の競争力を向上させるための重要な施策となっています。

このブログでは、リスキリングの基本的な概念から具体的な研修内容、さらに成功事例までを網羅的に紹介します。特に、金融知識やITスキル、語学学習、コミュニケーションスキルなど、時代のニーズに合った研修内容を取り上げ、実際に企業がどのようにリスキリングを導入し、成果を上げたのかを詳しく解説します。リスキリングに関心のある方や、自社の成長戦略を模索している方は、ぜひご一読ください。

リスキリングとは?

リスキリングとは、社会人の学び直しと言われ、技術革新やビジネスモデルの変化に対応するため、会社が今後の事業戦略に合わせ、習得してもらいたいスキルについて、社員に学びの場を提供することです。

近年コロナの影響もあり、働き方の変化が著しいことに加え、AIの進化、市場環境の変化により、仕事のやり方にも変化が起こってきています。

これまでとは、ボリュームの必要になる箇所が変わってくるなど、人材の配置に大幅な変更が必要になるということに加え、これまでの仕事以外に、新しい仕事が生まれるようなことも同時に起こっていることから、会社内での職務内容の変更を余儀なくされる場合も少なくありません。

このような変化に対応する為、リスキリングという勉強の場を活用し、他の仕事にも従事できるような体制を会社で整えることが必要になってきています。

そのような変化に対応するため、新たなスキルを学ぶ場を提供することで、業務の効率化を図れるだけでなく、今までと違う職種・業務にチャレンジするために、個人の能力やスキルを再開発することが特徴です。

また、企業側のメリットとして、新たなビジネスモデルを生み出すことにも役立つ場合もあるでしょう。

日本でも昨今成功事例などが報じられている注目されているリスキリングですが、世界的には2015年頃より、成功事例がメディア掲載されるなど、日本よりも何年前からリスキリングの取り組みが行われていました。

2022年、岸田総理がリスキリング支援に一兆円を投じると発表したのは記憶に新しいことですが、日本でもついにリスキリングについて、国を挙げて支援をしてくれる体制が整い、多くの企業から注目を集めています。

リスキリングの研修内容

リスキリングを取り入れる際に、どのような内容を研修に盛り込むべきか悩む方も多いのではないでしょうか。

リスキリングのテーマは多岐にわたり、企業や個人のニーズによって最適なものが異なります。

本日は、その中でも特に注目されている4つのテーマをご紹介します。これらのスキルは、多くの企業が導入を検討しているだけでなく、従業員自身の成長にも直結する重要な分野です。

金融知識

金融教育は、現代社会において欠かせないスキルの一つです。特に物価や賃金の変動が激しい昨今、自身の資産を効果的に管理する能力は、個人の生活を豊かにするための鍵となります。

例えば、企業型確定拠出年金の運用においては、従業員が自らの判断で運用指図を行う必要があります。しかし、金融の専門知識を持たない従業員にとって、適切な選択をすることは難しい場合があります。

そこで、金融教育を通じて従業員の金融リテラシーを向上させることで、資産運用の基礎知識や管理方法を学ぶ機会を提供することが重要です。

このような研修を受けた従業員は、企業や家庭において安定した経済基盤を築くことができ、結果として職場の満足度やパフォーマンス向上にもつながるでしょう。

ITスキル

デジタル化が進む現代では、すべての従業員にITリテラシーが求められる時代となりました。IT専門職を目指さない従業員であっても、基本的なコンピュータ操作や情報セキュリティの知識は業務効率を高めるために不可欠です。

ITスキルの研修内容は多岐にわたり、基本的なパソコン操作やアプリケーションの使い方から、インターネット上の正しい情報の見極め方、SNSのリスク管理までが含まれます。これらを学ぶことで、従業員は日常業務をよりスムーズに行えるようになり、さらにデータ管理や情報共有の際のセキュリティリスクを最小限に抑えることができます。

特に、ITの利活用を全社的に推進することで、業務全体の効率化やデジタル資産の安全性向上が見込まれます。企業全体のITスキルを底上げすることは、今後の競争力強化に直結するといえるでしょう。

語学学習

リスキリングの中でも特に人気の高いテーマが語学学習です。グローバル化が進む中で、英語をはじめとする外国語を使いこなせる人材は、多くの企業で重宝されています。また、語学力と収入の間には相関関係があるともいわれており、特にTOEICスコアが高い人材は平均以上の年収を得る傾向があります。

語学学習の研修は、英語だけでなく、中国語やスペイン語などの需要が高い言語を学べるものも増えてきました。さらに、AI翻訳が進化している時代ですが、人間が持つニュアンスや感情を伴うコミュニケーションスキルを補完するため、語学のスキルは依然として重要視されています。

これにより、ビジネスの場面で活躍できる機会が増えるだけでなく、従業員自身のキャリア形成にも役立ちます。

コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルは、あらゆる分野において必要不可欠な能力です。このスキルを磨くことで、営業やプレゼンテーションといった外部とのやりとりだけでなく、社内での情報伝達や協力関係の構築にも大きな効果を発揮します。

例えば、業務内容を的確に伝えられるようになると、作業の無駄が減り、効率化が進みます。また、上司や同僚、部下との信頼関係が深まることで、職場環境の改善やチーム力の向上が期待されます。

特に、リモートワークが増えている現代では、オンラインでも効果的に意思疎通を図る能力が一層重要視されています。


これらの研修内容は、現代のビジネス環境において即戦力となるスキルばかりです。企業や従業員がそれぞれのニーズに合わせてリスキリングを計画し、積極的に実施することで、個々の成長と企業全体の競争力向上を実現することが可能です。

リスキリング研修の流れ

社内でリスキリングを行う場合、いくつかのステップを踏むことで、会社の意向に沿った内容で研修を行うことが可能になります。

ここでは、失敗しない為の、研修を行う5つのステップを見ていきましょう。

①リスキリングを行う目的を明確にし、ゴールの設定をする。

リスキリングを始めるに当たって、まずはゴールを決めることが重要です。

そして、そのゴールに向かって必要な人材戦略を考え、その戦略を実現していくために必要となる人材像やスキルを明確にしましょう。

また、リスキリングは、攻めと守りの2種類があります。

攻めの目的とは、今後の企業の発展の為、新しい知識を習得してもらうことが目的です。

守りの目的とは、自社の従業員の雇用維持です。

DXが急速に加速する中、デジタル人材をはじめとする専門・技術職では大幅な人材不足が発生すると予測されています。

不足するDX人材を、外部からうまく採用をすることは、競争率も激しく質の低下に繋がることが考えられます。

また、既に自社の社風にマッチしている社員に任せられる方が、競争率の高い外部採用を行うよりもはるかに効率的であると言えるので、貴重な社員の損失を防ぐためにリスキリングを活用するというのも一つの目的となります。

②リスキリングを行う人材の選定を行う。

次に行うのは、対象となる従業員について考えることです。

①で考えた人勢戦略に合わせて、どのような社員に研修を行うかを選定します。

そこには社員一人一人のスキル状況の確認や、ライフスタイルとのバランスなど、本人の情報が多く必要になってくる為、一人一人の情報をしっかりと把握し、人材を選定することが必要です。

②リスキリングの内容(プログラム)を選定する。

リスキリングの学習方法は様々です。

「座学研修」のような集合研修もあれば、場所を問わず参加できる「オンライン講座」、好きな時間に受講してもらう「eラーニング」など様々な種類があります。

また、分野も様々分野がありますが、その中で、目標としているゴールに向かってどのような学びを取り入れるべきか、受講する人にあった受け方は何か、慎重に考えることで写真のモチベーションを高く保ちながら、知識習得に取り組んでもらうことが可能になるでしょう。

③今回の研修で到達しもらいたいスキルレベルを設定しておく。

これは①のステップと少し重なる部分ではありますが、ここでいう「到達してもらいたいスキルレベル」というのは、受講者である従業員の皆様にゴールとして伝える目標値になります。

この講座を受ける方は、卒業までにこのレベルまでできるようになってくださいねという明確なゴールを示しておくことで、受講中からゴールを意識した形で勉強を行なってもらうことが可能です。

しかし、ここは社員の適正に合わせて、現実的なゴールを設定するということも重要なポイントです。

高すぎる目標にならないよう、適切なゴールを設定してあげることで、最後までやる気が削がれることなくしっかりと受講してもらうことができるよう、慎重に考えましょう。

④リスキリング研修を実施する。

ここまでの準備が整ったら、実際にリスキリング研修を行ってみましょう。

ここまでに研修の内容や目的についてはしっかり整理をしてあるので、研修自体に心配は必要ないかと思いますが、ここで注意したいのは、研修を受ける従業員のモチベーションを保つという部分です。

一旦今の仕事から離れ、勉強のみを行うアンラーニングと違い、リスキリングでは、現在の仕事をこなしながら、その合間で知識の習得を行う必要があります。

リスキリングを行う社員のモチベーションが下がってしまわないよう、仕事量の調整を行ったり、本人とキャリアプランのすり合わせを行うなど、なるべくストレスがかからず研修を受けてもらうことができるように配慮を行なっていきましょう。

⑤研修が一通り終了したら、フィードバックの機会を設ける

研修が終了したら、それで終わりでは、今後の研修をより良いものにしていくことができません。

研修毎に、きちんとフィードバックをしてもらう機会を設け、しっかりと今後に活かしていきましょう。

また、研修に参加して頂いた従業員の方には、インプットの場だけでなく、その後にしっかりとアウトプットする場を設けたり、少し期間が空いたあと継続的なフォローアップを行うことで、初回の研修の効果をしっかりと維持していくことが可能です。

リスキリング研修の成功事例5選

国内企業でも数多くの企業が既にリスキリングを導入し、引き続き継続しています。
代表の会社について、いくつかみていきましょう。

日立製作所のリスキリング成功事例

日立製作所は、社員のリスキリングに積極的に取り組み、成果を上げている企業の一つです。

同社では、急速に進化するデジタル技術に対応するため、従業員のデジタルスキル向上を目的とした研修プログラムを導入しました。この取り組みの背景には、ITを活用したソリューションビジネスへの注力があり、従来の製造業からデジタルサービス業への転換を進めるためには社員全体のスキル向上が不可欠でした。

具体的には、「Lumada」と呼ばれる独自のIoTプラットフォームを軸に、データ解析やAI、クラウド技術の基礎から応用までを学べるプログラムを実施しています。特に注目すべきは、若手からベテランまで幅広い層を対象にした多段階の研修設計です。

オンライン講座と実践型ワークショップを組み合わせることで、各社員が業務に直結するスキルを身につけられる仕組みを構築しています。

さらに、日立製作所では、社員のキャリアパスを尊重し、リスキリングによって新たな役割に挑戦できる制度も整備しています。これにより、社員のモチベーションが向上し、業務の効率化や新規事業の立ち上げなど具体的な成果が見られるようになりました。

このような取り組みは、日立製作所の競争力を高めるだけでなく、デジタル化が進む社会においても大きな成功例として注目されています。

富士通のリスキリング成功事例

富士通は、急速に進化するデジタル化やグローバル化に対応するため、リスキリングに積極的に取り組んでいる企業の一つです。

同社では、「ジョブ型雇用」を推進する中で、従業員が新しいスキルを習得し、自らのキャリアを切り拓くことを支援する仕組みを整えています。特に、デジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させるためのスキル育成プログラムが注目されています。

富士通のリスキリングプログラムの特徴は、全社員を対象にした幅広い教育体制です。AIやクラウド技術、データ解析などの専門スキルだけでなく、グローバルビジネスに対応する語学力や異文化理解の研修も用意されています。さらに、社員が自ら学ぶ意欲を高めるため、オンライン講座や実践型トレーニングを提供し、自分のペースで学べる環境を整備しています。

具体的な成功例としては、プログラムを通じて従業員が高度なITスキルを習得し、DX推進プロジェクトに貢献した事例があります。たとえば、クラウド技術の活用を習得した社員が顧客の業務効率化を支援し、新たな収益源の創出に成功しました。

このような成果により、富士通は企業全体の競争力を向上させるとともに、従業員のキャリア形成を支援する優れたモデルケースを示しています。

富士通の取り組みは、リスキリングが企業の成長と個人の成長を両立させる手段として有効であることを実証する成功事例と言えるでしょう。

あおぞら銀行のリスキリング成功事例

あおぞら銀行は、金融業界が直面するデジタル化や規制緩和といった課題に対応するため、リスキリングを積極的に導入しています。

同行では特に、デジタル分野のスキルを強化する取り組みに力を入れています。これにより、従来の金融サービスにとどまらず、デジタル技術を活用した新たなビジネスモデルの構築を進めています。

同行が実施したリスキリングプログラムの中核には、AIやデータ分析、ブロックチェーン技術といった次世代の金融テクノロジーに関する研修が含まれています。これにより、従業員が金融業界の最新トレンドを理解し、業務に取り入れるスキルを習得できるようになっています。

さらに、デジタル分野だけでなく、コミュニケーション能力やプロジェクト管理能力といったソフトスキルの研修も行い、全体的な業務遂行能力の底上げを図っています。

成果としては、リスキリングを受けた従業員が新しい金融商品やサービスの開発に寄与し、同行の競争力を高める成功例が挙げられます。例えば、データ分析のスキルを活かして顧客ニーズを的確に把握し、よりパーソナライズされたサービスを提供することに成功しました。このような取り組みにより、顧客満足度が向上するとともに、収益拡大にもつながっています。

あおぞら銀行の事例は、金融業界が変化に対応するためにリスキリングがいかに重要であるかを示す成功例と言えるでしょう。

三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)のリスキリング成功事例

三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)は、金融業界における変化とデジタル化の波に対応するため、全社的なリスキリングに取り組んでいます。

特に、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するために、従業員一人ひとりが必要なスキルを再習得することに注力しています。この取り組みは、デジタル技術を活用した新たな金融サービスを創出し、競争力を高める重要な施策と位置づけられています。

SMFGでは、AIやデータ分析、クラウド技術を学ぶ研修プログラムを導入し、従業員が実践的なスキルを身につけられる環境を整えています。

特に注目すべきは、データサイエンス分野に特化したトレーニングの実施で、これにより従業員は、顧客データを活用して精度の高いマーケティングやリスク分析を行うスキルを習得しています。また、若手社員から管理職まで幅広い層を対象に、デジタル知識を横断的に学ぶ研修を実施しており、グループ全体のスキル向上を実現しています。

成果としては、AIを活用した融資審査の効率化や、顧客データ分析による新たなサービスの提案が挙げられます。これにより、業務プロセスの改善や顧客満足度の向上が図られ、ビジネスの成長に大きく貢献しています。さらに、従業員が新しいスキルを身につけることで、キャリア形成への意欲が高まり、企業内の人材の活性化にもつながっています。

SMFGの取り組みは、金融業界におけるリスキリングの成功例として、多くの企業にとって参考になるものです。

三菱商事のリスキリング成功事例

三菱商事は、リスキリングの成功事例として注目される企業の一つです。

同社は、伝統的な商社の枠を超え、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に取り組む中で、従業員のスキル向上を重視しています。その一環として、ITやデジタル技術に関する教育プログラムを導入し、全社員が最新技術を活用できる環境を整えました。たとえば、社内研修や外部講座への参加支援、AIやデータ分析の基礎を学ぶプログラムなどを提供しています。

また、三菱商事はリスキリングを単なる教育機会の提供に留めず、実践の場を積極的に設けています。社内プロジェクトに新たなスキルを活用する機会を増やし、社員が実務を通じて新しい知識を応用できる環境を作りました。

さらに、職種転換を支援する制度も整備し、特にデジタル関連職種への異動を支援する取り組みが注目されています。

これらの施策の結果、三菱商事は新規事業の立ち上げや既存業務の効率化に成功し、競争力を向上させました。同時に、社員自身もキャリアの幅を広げることができ、企業と個人の双方にメリットをもたらすリスキリングの好例とされています。

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元記事発行日:2024年8月10日、最終更新日:2025年1月28日